生田斗真30歳記念企画〜映画編〜

私が勝手に選んだ「生田斗真が気になる人に見てほしい三大映画」

1.「人間失格
2.「脳男」
3.「土竜の唄」
おまけ 恋愛映画が好きな方に向けて

[注意]
※あくまでも私見で選んでおります。挙げていない作品にもそれぞれ魅力があります。
※詳しいストーリーや出演者などは他のサイトでご確認いただけたらと思います。(他力本願)
※斗真30歳記念企画ということで、ちょっと引くくらい熱く長く語っていますが、ご了承ください。
※一応ネットの関連記事などを確認しながら書いておりますが、記憶を頼りに書いている点もありますので、もしかすると間違い等があるかもしれません。万が一気づいた方がいらっしゃいましたら、ご指摘をお願いします。


1.「人間失格」(2010年公開)

【推薦ポイント】
斗真の映画初出演にして初主演に抜擢された渾身の作品。「映画俳優・生田斗真」の原点を見てほしい!


それまで映画との縁が無かった斗真に突然沸いて出た映画出演。
しかもいきなり主演で原作はあの有名な「人間失格」。
ということで、今考えてもいきなり凄いプレッシャーの中で取り組んだ作品だったと思います。
公開前日のプレミアム試写会では、映画の舞台挨拶では珍しく涙も見せたという、本当に渾身の作品です。
(どうでもいい話ですが、私も試写会で斗真が初めてスクリーンに映ったシーンで、感激しすぎて1人ボロボロと泣いてしまいました 苦笑)

監督の荒戸源次郎さんは「(斗真や共演の森田剛くんを通じて)ジャニーズに対する見方が変わった」と様々なインタビューでおっしゃっていました。
また、撮影した京都太秦撮影所のスタッフさん達も斗真の様子を興奮して見ていたとも。
初めての映画の現場で、斗真はそのスタッフさん達から映画について様々なことを教えてもらい、可愛がっていただいたようです。

監督曰く、この映画のポイントは「斗真を美しく撮ること」。
その通り、全編通して美しい映像が流れていきます。
原作に詳しい方は、斗真演じる葉蔵が自分のことを語らないこと、狂った人間のはずなのに美しく撮られていることに違和感があるかもしれません。
ただ、これはあくまでも個人的解釈ですが、私はこの映画は荒戸さんなりの「原作へのアンサームービー」なのではないかと思っています。
原作では内面が語られる主人公を、敢えて俯瞰で撮ってみる。
その時、本当に主人公は狂っているだけの人間なのか…?という、実は深い荒戸さんの「人間の見方」がチラチラと見え隠れしている気がしてなりません。
一方、原作を知らない方にとっては、「え?どうして葉蔵はこんな言動をするんだろう?」と謎なことがいっぱい。
それを、「小説の行間を読むように」解釈しながら見ることができます。
「最終的には原作を読みたいと思ってもらえるよう」な作りになっています。
(実際、この映画は角川映画なのですが、映画の公開に合わせて角川文庫から斗真が表紙の「人間失格」含む太宰治作品10作の文庫本が出版されています。)

斗真が気になる方に更に知っていただきたいのは、「人間失格」がその後の仕事にも影響を与えたということ。
例えば、映画「源氏物語〜千年の謎〜」への斗真の起用。
これは「人間失格」公開時にこの映画の企画/製作総指揮をされた角川歴彦さんが、「生田斗真源氏物語を撮りたい」とおっしゃっていたことが本当に実現したものです。
また、映画「脳男」は、「人間失格」のポスターを見て斗真を起用しようということになったという逸話があります。

この映画と「ハナミズキ」(同年公開)の演技で、斗真は「ブルーリボン賞」と「キネマ旬報ベストテン」の新人賞を受賞しました。
まさに「生田斗真の代表作」です。





2.「脳男」(2013年公開)

【推薦ポイント】
それまでのイメージを覆すよう不思議なキャラクターの役、「痩せてはいるが鋼のような肉体」、そして岡田准一先輩仕込みのアクション!


斗真の一般的なイメージというと、おそらくですが「花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜」の中津のようなコメディーチックなイケメンや、「人間失格」や「僕等がいた」などのような王道イケメンキャラといったところかな、と思います。(私は斗真にハマってる期間が長いこともあって、実際の一般的なイメージはよく分かりません。)
しかし、この映画ではそんなイメージを覆す、不思議…時によっては不気味なキャラを演じています。
不思議で不気味なキャラクターの役作りのために、斗真は半年の期間を貰ったそうです。
その半年間は、引きこもり生活、体作り、アクションの稽古をして過ごしたそうです。

引きこもり生活では、誰とも連絡を取らずにただソファーの上にじっとして過ごしたり、瞬きをしないようにシャワーを浴びる時でも目を開けていたり…と、ちょっと尋常ではない過ごし方をしていたようです。
結果、映画の中では不思議な雰囲気をいつも身に纏い、瞬きも全くしないという、「感情のない人間」を見事に演じています。

体作りは、台本のト書きにある「痩せてはいるが鋼のような肉体」を目指して、アクションの稽古と合わせてささみなどを中心にした食事制限生活を続けたそうです。
その結果、一時は体脂肪率7%にまでなり、映画の宣伝でもバンバン流れるような綺麗な肉体に仕上がりました。

そしてアクションは、後に「軍師官兵衛」で共演するV6の岡田准一くんに頼んで教わります。
「何故岡田くん?」とお思いの方に説明すると、岡田くんは「SP」という作品のために格闘技の稽古を重ね、インストラクター資格まで収得し、同ドラマでのアクション指導をするまでになった方なのです。
その岡田師匠との稽古の甲斐あって、アクションシーンはキレッキレで見応えがあります。

この作品を見る時にご注意いただきたいのは、「PG-13」の映画倫理指定がついただけあって、なかなかグロテスクな作品だということです(苦笑)
ただ、この作品を見ることができれば、他の生田斗真出演作品はほとんど抵抗を感じずに見ることができると思います(笑)
また、扱っているテーマがなかなか重く、観る側に「善悪とは何か?」「正義とは何か?」を問いかける作りになっているので、観終わった後にかなり後を引くと思います。(私は頭の中でしばらくぐるぐると映画のシーンが駆け巡っていました。)
それだけ「濃い作品」だということです。

軍師官兵衛」が好きだった方は、こちらの映画でも江口洋介さんや二階堂ふみちゃんと共演していますので、そこも注目していただければ。
軍師官兵衛」では江口さん演じる信長に斗真演じる右近が翻弄されましたが、こちらの映画では斗真が江口さんを振り回す側です。
特に27時間に渡って撮影された2人のアクションシーンは見物です。
また、ふみちゃんとのあるシーンでは斗真がふみちゃんを本当に失神させてしまい、トラウマになったとも。
他の共演者さんでは、最も絡みが多く、斗真演じる一郎が他の人に対してとは違う反応を見せることになる松雪泰子さんとのシーンや、夏八木勲さんとのシーンが特に印象に残るかと思います。

「脳男」の瀧本智行監督とは来年公開の映画「グラスホッパー」でも再びタッグを組みますので、その予習も兼ねて是非ご覧になってください。





3.「土竜の唄」(2014年公開)

【推薦ポイント】
体当たりでどんなことでもやってのけようとする斗真の覚悟を見て感じてほしい!この作品は特に男の人に見てほしい!最後に歌も!


本編を見ていない方でも、斗真が裸で車のボンネットに縛りつけられている場面はご覧になったことがあるのではないでしょうか。
あの後に何とそのまま洗車機にぶちこまれてしまう……という、かなりインパクト大なオープニングから始まる映画です。

基本的にはコメディーなのですが、アクションあり、色恋あり(ただしラブシーンに萌えを期待してはいけません。笑えるので)、シリアスなシーンもあり…という、ジェットコースタームービーです。
ちょっとグロいシーンもありますが、「脳男」に比べれば後を引かないし、かわいいモンです(笑)

この映画は、高橋のぼるさんの青年漫画が原作で、脚本が宮藤官九郎さん、監督が三池崇史さんと、もうこの布陣を見るだけでハチャメチャな内容が手に取るように分かると思います。
ですので、最初に書いた裸ボンネットなど、ハチャメチャなシーンが沢山あります。
しかし、斗真はどんな内容でも演出でも、主人公同様「バッチコーーーーイ!」な精神で受け入れて、実行してしまったわけです。
そういう点では、主人公と斗真が似ている作品なのかもしれません。
とは言え、裸ボンネットのシーンは真冬に撮影されてますし、洗車機の水は当然冷たいし、洗車機に入った人の前例もおそらくいないだろうし、なかなか実行するにはスリリングなので、決心が必要だったかと思います。
これは後々ドラマについて書く時にも触れたいと思いますが、斗真は以前から色んな演出を突きつけられる経験をしてきました。
また、Jr.時代にもアイドルとしてバラエティーで色んなこと(例えばタイの洞窟に白蛇を探しにいく等)をしてきていますし、一夜漬けで翌日出演することになったステージのダンスを覚えたりすることもあったそうです。
そうした経験でずっと培われてきた度胸が、演出を現実のものにする斗真の覚悟に繋がっているのではないかなと私は勝手に思っています。

さて、この斗真の役の珍しいところは、どちらかと言えば女子向けではなく男子向けのキャラクターであること。
映画に関して言えば、「源氏物語」や「ハナミズキ」などに代表されるような「女子が見て喜びそうな男子」を演じることが圧倒的に多かったと思います。
しかし、この作品で演じている玲二については、男子の方が共感しやすいと思います。
特にラブシーンや、堤真一さん演じるパピヨンとのシーンなど。
実際、映画館では若い男の子達が観に来ているという、斗真主演映画にしては珍しい光景を目にしました。(斗真じゃなくて岡村隆史さんなどを目当てに来られたんでしょうけど)
「脳男」が斗真の一般的なイメージを覆す役だと書きましたが、「土竜の唄」では覆すどころかぶっ壊す勢いだったかもしれません(笑)

そして、本編最後には1分程ですが「土竜音頭」という玲二…つまり斗真のソロ曲が流れます。
まさかのソロ曲、しかも「音頭」(笑)
ヒット御礼舞台挨拶で、それを歌いながら客席を歩くという演出がありました(笑)
その様子は、先日発売されたばかりのBlu-ray・DVDスペシャルエディションの特典映像として収録されているようなので、お金のある方は是非ご覧ください。
おそらくですが、この作品で三池監督&原作者・高橋さんと共にローマ国際映画祭に参加した映像も収録されているはずです。
この映画祭で発した斗真の「エロは全世界共通」という迷言と共にお楽しみください(笑)



*おまけ*
恋愛映画好きな方に向けて

来月公開される「MIRACLE〜デビクロくんの恋と魔法〜」もそうだと思うのですが、斗真と言えば女子ウケの良さそうな男子役のイメージが強そう。
そこで、「三大映画」には挙げませんでしたが、特に「女子向けで恋愛色が強い」2作品をちょこっとご紹介します。

・「ハナミズキ
新垣結衣ちゃんとのラブシーンに注目していただきたいです。
私は個人的にラブストーリーに厳しいところがあって、ストーリーとしてはちょっとあまり好きではないのですが、遠距離になってから初めて再会した後のキスシーンは、激しさにリアリティーがあって好きです(笑)
もう1つ、10年の月日を感じさせる演技にも注目してください!
どんどん垢抜けていく設定のヒロインに対して、斗真の役は見た目はそんなに変わらないので、本当に演技だけで10年の月日を感じさせなくてはいけないという難しさがあったと思います。
私はちゃんと月日の経過を感じることができて、これは映画館で見て感激しました。
あとは、実際に漁師さんの元で修行した漁師姿も見てください。


・「僕等がいた
実はこれ、公開が私の出産前後と被ったために、映画館で見ておりません。
後編をCSチャンネルで少し見た程度。
なので、大したことは書けません……。
が、チラリと見たラブシーンはだいぶくすぐったい感じです(笑)
斗真はラブシーンだけでなく、学校のシーンも大事にしていたようで、生徒役の皆さんを仕切って食事会を設定することもあったそうですよ。
あとは、吉高由里子ちゃんとのコンビが可愛らしいですが、個人的には比嘉愛未ちゃんとの「親友コンビ」も好きです!
斗真は比嘉ちゃんとの共演が多くて、その前2回は恋人、もしくは後に恋人同士になる役だったのですが、それも好きだったんですよね。
でも、「恋人」ではなく「親友」でも相性が良いとは!
雰囲気や演技の相性が良いのでしょうか。
また共演してほしいです。